カンムリワシとは
カンムリワシの概要
分類 | タカ目タカ科 |
生息分布 | 日本国内では八重山諸島のみ。 |
生息数 | 100羽程度(年々減少しています) |
全長 | 55cm程度 翼を広げると110cm程度 |
体重 | 800g程度 |
寿命 | 不明 |
名前の由来 | 頭に長い冠のような羽(冠羽)があり、威嚇時などに逆立てた姿がまるでカンムリのようなため |
その他 | 特別天然記念物, 国内希少野生動植物種 |
カンムリワシの生活
森に生息し、草原など開けた場所で獲物を取ります。木の枝や電柱に留まって獲物が現れるのを待ちます。蛙、トカゲ、ヘビ、カニなどの小動物や昆虫を見つけると捕まえて食べます。夜は森で過ごします。
「みんなが知りたい!日本の絶滅絶滅危惧「絶滅危惧」動物がわかる本」メイツ出版株式会社, 2017年出版
繁殖期は4月から7月で、森に巣を作り、1階の産卵で1つの卵を産みます。幼い鶏の体は白くふわふわしていて、狩りが下手な期間にも耐えられる栄養が蓄えられており、大人の鶏と同じ位の体重があるものもいます。頭に冠のような羽があり、興奮したり威嚇したりするときに立てることからカンムリワシと言う名前がつきました。
カンムリワシの特徴
色 | 全身は灰色から茶褐色。お腹に白い斑点があります。 生まれた時は美しい白色です。成長と共にだんだんと模様がついてきます。 |
くちばし | 灰色 |
目 | 眼球は黒、周囲は黄色 |
カンムリワシの茶色と白で構成される羽は、綾羽(アヤバニ)と呼ばれ、その翼の模様は日本のワシや鷹の中で最も美しいと言われています。綾のように美しい羽と言う意味で、綾羽(アヤバニ)と呼ばれています。
「カンムリワシ 守るべきもの、石垣島の白い天使」 福田啓人,雷鳥社, 2011年発行
文化財保護法第109条の規定により、天然記念物の中でもさらに貴重な特別天然記念物に指定されています。もっとも絶滅が近い貴重な鳥なのです。
カンムリワシが絶滅しそうな理由
石垣島では一時期、森林な山地が大規模な農業用地や牧場に変わったり、餌場となる水田が減少するなど、生息環境の消失が進みました。また、車にひかれたカエルなどの小動物を食べていて、道路上で交通事故に会うケースも増えています。カンムリワシは産卵数が少ないこともあり、環境の変化が大きな影響与えるっていると考えられます。
カンムリワシに出会える場所
テーマパーク「石垣やいま村」では、怪我などの理由で保護され、自然に戻ることが難しいと判断されたカンムリワシの保護ゲージごしに、カンムリワシに出会うことができます
また、大自然が豊かな石垣島北部では、野鳥本来の姿でのびのびと飛び回るカンムリワシに出会うことができます。ただし、巣に近づくなど、普段の生活を脅かされる可能性を感じると、カンムリワシは放巣を行い、生態が変わる可能性があるため、そっと見守るようお願い致します。
幼い鳥の育成が終わる9月から3月ごろにかけては、カンムリワシの活動範囲が、森の中から沿岸部や田畑、林道など人目に付きやすい開けた場所に移ります。ドライブをしているだけでも、涼しくなった石垣島の空を、のびのびと飛び回る姿を見つけることができるかもしれません。
その一方で、交通事故も増える危険性が高まりますので、ドライブ中の車のスピードの出しすぎなどには、厳重にご注意くださいませ。
カンムリワシをモチーフとした「ぱいーぐる」
石垣空港を出発してすぐの交差点で、島の安全を見守っているキャラクター「ぱいーぐる」。石垣島ではカンムリワシとの交通事故が多発しています。スピードを緩めて安全運転で動物をお守りください。
万が一、カンムリワシの事故に遭遇した場合は、すぐに石垣市に通報をお願いいたします。
直近では、令和2年3月30日には大本小学校付近の県道87号線上でカンムリワシの轢死体が発見されています。
これからの季節は、営巣活動が行われ産卵・育いく雛すう期となります。雛ひなのエサを確保するため小動物の轢死れきし体を狙っているカンムリワシが道路に出現し、交通事故に遭うことがあります。
どうか貴重な生命を守るためにも、とっさの事態に対処できるよう安全運転をお願いいたします。
また、ケガをしているカンムリワシや、カンムリワシらしき死体を見つけたら、下記のいずれかにご連絡ください。石垣市役所代表番号 電話: 0980-82-9911
石垣市役所Webサイト https://www.city.ishigaki.okinawa.jp/kurashi_gyosei/kanko_bunka_sport/rekishi_bunka/3078.html
石垣市教育委員会文化財課 電話: 0980-83-7269
環境省石垣自然保護官事務所 電話: 0980-82-4768
参考文献:
「カンムリワシ 守るべきもの、石垣島の白い天使」 福田啓人,雷鳥社, 2011年発行
「みんなが知りたい!日本の絶滅絶滅危惧「絶滅危惧」動物がわかる本」メイツ出版株式会社, 2017年出版
「カンムリワシリサーチ」http://kanmuriwasi.web.fc2.com/
カンムリワシとの出会いをじっくり待つなら大自然の中のホテルで
実は本記事に掲載している実際のカンムリワシの写真は、Blue Ocean Resort 石垣島の敷地内で撮影したもの。
国立公園に隣接し、自然に囲まれた敷地内では、カンムリワシをはじめ、セマルハコガメやオオゴマダラなど、南国の生き物たちにホテルに滞在しながら出会えます。
自然の中、悠々と生きるカンムリワシとの出会いを楽しみに待ちながら、リゾートでカンムリワシが過ごしている悠久の時を過ごす。そんな贅沢な時間をぜひご体験ください。