その「贅沢」は、ふとした瞬間に隠れている。
みなさん、こんにちは! ブルーオーシャンリゾートのすーさんです。
このガイドは、私が日々の業務のなかで「あ、いいな」と思った瞬間を書き留めている日誌から生まれました。リゾートの周りには、毎日見ていても飽きない、面白くて愛おしい自然のドラマがたくさんあります。
ある日、於茂登山(おもとやま)の表面をすーっと滑っていく雲の影を眺めながら、ふとこう思いました。「こういう瞬間に気づけることは、とても贅沢だなぁ」って。
この手作りのガイドが、皆さんの滞在中にそんな「贅沢な瞬間」を見つけるための、ささやかなお手伝いになれば嬉しいです。
さあ、一緒にときめきの自然発見の旅に出かけましょう!
1. 緑の宝物たち(植物編)
石垣島の太陽を浴びて、リゾートの植物たちは本当に生き生きとしています。南国気分を盛り上げてくれる美しい姿、でも「見るだけ」でお願いしたい秘密を持つ子。たった一晩だけ、私たちのために咲いてくれる儚い花。そして、リゾートのアイドル、ヤギたちのお腹を満たすご馳走まで。ここでは、あなたの滞在をより豊かにしてくれる、個性豊かな緑の宝物たちをご紹介しますね。
クワズイモの実:南国気分の立役者、でも「見るだけ」でお願いします

トウモロコシみたいで美味しそうなのに…残念!
🔍 特徴・生態 深い緑の中でひときわ目を惹く、鮮やかなオレンジ色の実が特徴です。大きなハートのような特徴的な葉っぱは、これぞ南国!という雰囲気を演出してくれます。
⚠️ 注意点・豆知識 その名も「食わず芋」。名前の通り、植物全体に毒があり、根っこにできるお芋はもちろん、この可愛らしい実も絶対に食べてはいけません。
❤️ 人(スタッフ)との関わり 毒はありますが、月桃の実と同じように観賞用として収穫することもあります。それにしても、見れば見るほど「トウモロコシみたいで美味しそう」なんですよね…。食べられないのが本当に残念です。
タコの木:おしゃれなカゴバッグに変身するトゲトゲの葉

触れるとキケン!でも、素敵な手仕事品の材料にもなるんです。
🔍 特徴・生態 石垣焼ヴィラの駐車場脇に立っている、タコが足を広げたような形の木です。最大の特徴は、葉っぱのフチにある鋭いトゲ。うっかり素手で掴むと出血間違いなしの、なかなかの強者です。
⚠️ 注意点・豆知識 このトゲトゲの葉ですが、フチのトゲを丁寧に取り除いた中心部分は、丈夫でしなやかな素材になります。島では、カゴバッグや小物入れといった手仕事品の材料として昔から使われているんですよ。
❤️ 人(スタッフ)との関わり 葉が伸びてお客様に当たると危ないので、オーナーが時々剪定しています。その切り方がまた「潔い(大雑把ともいう?)」感じで、一気にサッパリさんになります(笑)。おかげで、皆さんが安全にトゲに触れることなく、程よい木陰を楽しめるようになりました。
サガリバナ:幸福を呼ぶ、一夜限りの幻の花

たった一晩だけ咲く「幻の花」。出会えたあなたに、幸福が訪れますように。
🔍 特徴・生態 夏の夜、甘い香りと共に花火のような繊細な花を咲かせます。しかし、その美しい姿は一晩だけで散ってしまうため、「幻の花」「一夜花」というロマンチックな名前で呼ばれています。
⚠️ 注意点・豆知識 サガリバナの花言葉は「幸福が訪れる」。もし見かけることができたら、それは幸運のサインかもしれませんね。
❤️ 人(スタッフ)との関わり 実は、リゾートのサガリバナは植樹して5年目にして、今年初めて花を咲かせてくれました!普通は夜に満開になるのですが、なんと朝6時頃に咲いていて、まるで「お客様が起きるのを待っていた」かのようでした。この写真は、なんとお客様が撮ってくださった一枚なんです。提供・掲載許可いただきありがとうございました。うちのサガリバナ、接客のプロです!(鼻高)
ヤギたちの大好物コレクション

リゾートのアイドル、ヤギファミリーに餌やりをしてみませんか?敷地内で採れる、彼らの大好物をご紹介します。
桑の葉 :言わずと知れた(?)ヤギ人気No.1メニュー。美味しすぎるあまり、子供たちの無限ループの餌やりと、以前ヤギたちが脱走した際のつまみ食いにより、需要と供給が追いつかず現在育成中です。
バナナの葉 :こちらもヤギたちの大好物。大きくて柔らかい葉っぱを、夢中になって食べてくれます。
ニシキアカリファ :桑の葉が不足気味の今、特におすすめなのがこちら。赤やピンクが混じった綺麗な葉っぱです。バナナの葉とは違い、こちらはお子様の背でも手が届く場所にたくさん生えていますよ。
こんな風に豊かな緑があるからこそ、たくさんの生き物たちが集まってきます。次のセクションでは、賑やかな島の仲間たちをご紹介しますね。
2. 島の生き物たち(動物・昆虫編)
Blue Ocean Resortの敷地とその周辺は、元気な生き物たちでいっぱいです。愛すべき「除草隊」として活躍するアイドルのヤギたち、目の前の海にきらめく青い宝石、足元の草むらに隠れる小さな隣人、そして出会えたら超ラッキーな幸運のシンボルまで。ここでは、あなたの滞在をさらに楽しくしてくれる、賑やかな島の仲間たちをご紹介します。
ヤギのティーダとラヴィ:愛すべき「除草隊」

かわいいけど、可愛くない。可愛くないけど、かわいい。そんな不思議な魅力の持ち主。
🔍 特徴・生態 ティーダとラヴィは兄弟ですが、見た目も性格も全然似ていません。でも、暑い日の午後には、なぜかお揃いのポーズで「今日もよく働いたね」なんて言い合っているかのようにくつろいでいることも。そんな姿を見つけると、思わずクスッと笑ってしまいます。
⚠️ 注意点・豆知識 彼らはとっても食いしん坊。以前、私がヤギ小屋のロックをし忘れたせいで脱走し、管理棟のテラスに伸びていた桑の葉をお腹いっぱい食べてしまった事件がありました(…反省。皆様も日々の暮らしでは施錠確認をしっかりすることをおすすめします)。
❤️ 人(スタッフ)との関わり 彼らの本来のお仕事は敷地内の「除草」ですが、お客様とのふれあいタイムも大切な業務の一つ。餌やり体験は大人も子供も夢中になる人気アクティビティです。スタッフがヤギたちの好物で、あげてもOKな葉っぱをご案内しますので、ぜひ声をかけてくださいね。
アオヒトデ:海の底から空を見上げる青い星

海の底から見上げる空はどんな風に見えるのでしょうか。
🔍 特徴・生態 リゾートの目の前、浅瀬の岩場や砂地を覗いてみると、あっと驚くほど鮮やかな青色のヒトデを見つけることができます。それがアオヒトデです。まるで誰かがこっそり置いたオブジェのようですが、立派な海の生き物です。
⚠️ 注意点・豆知識 とても綺麗ですが、海の生き物なので、持ち帰らずに、そっと観察するだけにしてあげてくださいね。
❤️ 人(スタッフ)との関わり 「海の中で仰向けに大の字になるのはどんな気持ちなのかなぁ(まあ、彼ら的にはうつ伏せなんでしょうけど)」なんて、時々想像してしまいます。海の底からキラキラ光る海面を見上げられるなんて、その景色が見れるのは、ちょっと羨ましいです。
野良クジャク: 美しすぎる石垣島の「問題児」

ナチュラルサファリパーク、それが石垣島です。
🔍 特徴・生態 「石垣島には野生のクジャクがいるんですよ」とお話しすると、ほぼ100%のお客様が驚かれます。でも、本当にいるんです。元々は観賞用やペットとして島に持ち込まれたインドクジャクが逃げ出し、野生化したものです。オスが一羽で優雅に歩いていたり、メスたちの群れがいたり、ドライブ中にいろんな場面に出会えるかもしれません。
⚠️ 注意点・豆知識 もしレアな白いアルビノ孔雀を見ることができたら、あなたはものすごく幸運の持ち主です!ぜひ安全な場所に車を停めて、その美しい姿を堪能してください。ただし、彼らは繁殖力が強く、島の固有種(トカゲなど)を食べてしまうため、実は生態系を脅かす外来生物としても知られています。その「美しさと困った事情」という複雑な背景を知ると、見え方が少し変わるかもしれません。
❤️ 人(スタッフ)との関わり オスのクジャクが持つ、程よいツヤのある青い羽を見ていると、客室にご用意している器「石垣焼き」の美しい青を思い出します。どちらも石垣島の自然によく映える、特別な青色です。
小さな隣人たち
足元の草むらや、ふと見た花の上にも、面白い名前を持つ小さな住人たちが暮らしています。少しだけ目線を下げて、彼らの世界を覗いてみませんか?
アオスジコシブトハナバチ:名は体を表しすぎている「南国の青いハチ」

もしレディだったら、この名前は訴えられるレベルです(笑)。
🔍 特徴・生態 ヴィラの庭では、月桃(ゲットウ)の花などでよく見かけます。ミツバチとは少し違うハチで、最大の特徴はお尻にある鮮やかな青いシマシマ模様。高速で飛び回りますが、その青さは緑の中でひときわ目を惹きます。本土で有名な「ブルー・ビー(ナミルリモンハナバチ)」とは別の種類ですが、こちらも南国ならではの美しい「青いハチ」として、見ると幸せな気分になれますよ。
⚠️ 注意点・豆知識 名前を分解すると「青い筋(すじ)のある、腰の太い、ハナバチ」。見た目そのままのネーミングセンスには脱帽ですが、「腰太(コシブト)」なんて、ちょっと失礼だと思いませんか? 性格は温厚で、ミツバチのように集団で襲ってくることはないので、そっと観察してあげてください。
❤️ 人(スタッフ)との関わり 庭の花の周りで「ブーン」と低い羽音が聞こえたら、彼らの合図。一生懸命に蜜を集める丸っこい姿はとても愛らしいのですが、私は見るたびに「君、また『腰が太い』なんて呼ばれて…たくましくて可愛いね」と、心の中でこっそり話しかけています。
ダンダラテントウ:歴史好きは思わずワクワクしてしまう彼の名は…

南国の葉っぱの上で、まさかの「新撰組」と遭遇!?
🔍 特徴・生態 リゾートの庭で育てているバタフライピーの葉の上で見つけた、黒地に赤い模様が特徴的なテントウムシです。小さい体ですが、鮮やかな色彩は緑色の葉の上でとても目立ちます。アブラムシなどを食べてくれる、植物にとっても私たちにとっても頼もしい益虫です。
⚠️ 注意点・豆知識 その名の由来は、模様が新撰組の羽織の「ダンダラ模様」に似ていることから。南の島で、ふと日本の幕末ロマンを感じるなんて不思議ですよね。ちなみに模様には個体差があり、私がみつけたこの子のように「日の丸」に見えるタイプもいます。
❤️ 人(スタッフ)との関わり バタフライピーの収穫中にふと目が合うと、嬉しくなります。「おっ、今日も警備ご苦労さま!」と声をかけたくなる存在。彼らがいるおかげで、私たちは美味しいハーブティーを飲むことができるんです。小さな体でヴィラの平和(と私のティータイム)を守ってくれる、勇敢な隊士たちです。
自然と共に過ごす、贅沢な時間
このガイドでご紹介できたのは、リゾートの周りに広がる自然のほんの一部にすぎません。
ふとした瞬間に、「何気ない自然の動きに見惚れてしまう」「こういう瞬間に気づけることは、とても贅沢だなぁと思うのです」。
滞在中は、どうぞ時計を少しだけ忘れて、のんびりと周りを見渡してみてください。きっと、あなたの心に残る小さな発見が、すぐそばに隠れているはずです。
皆さんの石垣島での時間が、心豊かなものになりますように。
すーさんより
翌月のブログはこちら:
石垣島の8月|朝はヤギ、昼は珊瑚の海、夜は天の川
【執筆者:すーさん (「さん」までが名前です。お気軽に「すーさん」と呼び捨てでお声がけください)】

島暮らし5年目の好奇心人間
ヤギとアオリイカ(釣る・見る・食べる、全部好き)を愛してやまないリゾートスタッフ。
「気になったら、やってみる」がモットー。
ヤギの爪切り、釣り、魚捌き、動画制作、草刈り… 気づいたらブルーオーシャンリゾートの何でも屋でした。
お客様に石垣島の「ちょうどいい」をお届けすることが、私の使命です。
現地でお会いできる日を、楽しみにしています。

